研究

2022.3.18

映像を「見る側」から「創る側」として関わりたい学生を一流の映像人へと育てます

芸術学部映像学科 / テレビ研究室
名手 久貴 教授 Hisaki Nate

芸術学部映像学科 / テレビ?ドキュメンタリー研究室
丁 智恵 助教 Chung Jihye

教員プロフィール

なて?ひさき
和歌山市生まれ。関西大学社会学部卒業、大阪大学现在哪个app能买足彩人間科学研究課博士後期課程修了後、通信?放送機構(TAO)高度三次元動画像遠隔表示プロジェクトにて研究を続けるため東京へ。现在哪个app能买足彩では、人間に立体情報として利用される運動視差や網膜像の拡大情報について、またTAOでは、超多眼立体像という特殊な立体像を観察する時の視機能や、空中像、拡散像、マクスウエル視像観察時の視機能について研究。現在も、立体映像と人間の立体視機能の関係について研究中。

ちょん?ちへ
兵庫県生まれ。京都大学総合人間学部卒業、東京大学现在哪个app能买足彩学際情報学府博士課程満期退学。学部時代に韓国へ留学。ドキュメンタリー制作に関わり、映像制作の面白さを知る。现在哪个app能买足彩ではNHKや民放のテレビ?アーカイブを活用した研究プロジェクトに参加し、テレビ?アーカイブ研究、テレビ制作者研究、テレビ史から眺めるアジアというテーマで研究。現在は、新しい時代における放送のあり方や番組制作について研究を進めている。

観る人にやさしい映像を制作するこころがけを大切に

 名手久貴教授:近年、映像制作の分野では高い臨場感を得ようと立体映像の表示技術がとても進んできました。その一方で、たとえば人と背景から成る画像を立体的に見ようとしても人の厚みが感じられなくなって平らに見えてしまったり、遠くの被写体に対して手前の被写体が小さく近くに飛び出して見えてしまったりと、実際の見え方とは一致しない現象が起こってしまうことがわかっています。

 楽しくワクワクする、気持ちが癒され感動するための映像鑑賞で観ている人が疲れてしまわないよう、私は立体映像の仕組みを研究する中で、何が原因で鑑賞する人の疲労などが生じるのかを検証し、また仮想現実を体験することができるVR(バーチャルリアリティ)ゴーグルを着けているときに、見ている人が何に焦点を合わせているのかを研究しています。学生たちには目に負担のないやさしい映像の制作について一緒に考えながら技術面でのアドバイスを行っています。

テレビ番組の企画から制作まで、未来の担い手を育てます

 丁智恵助教:私の研究室では、ドキュメンタリー番組などを始めとするテレビ番組映像作品を企画し実際に制作活動を行います。学生たちを進化していく映像領域の未来の担い手として育成するために必要な「映像表現」「映画」「テレビ」「映像情報」「身体表現」という5つの専門領域のうち、「テレビ」領域を担う二つの研究室が一緒に授業を運営することで、学生たちは多角的な指導を受けることができます。

 現在の3年生はバリアフリーをテーマとした番組を作っています。彼らを2年生から見ていますが学生たちのアイディアと発想はとても豊かで、大きな可能性と伸びしろを感じます。また4年間、黙々と学んできた学生の才能が卒業制作で花開く瞬間も幾度となく見てきて、ひとりひとりのペースに寄り添う重要性を感じ、学習環境づくりにも気を配っています。研究室では、私はどちらかというと先生というより学生たちのアドバイザー的な関係性を保ちながら、彼らの成長をサポートしています。

創る情熱と技術、知識を余すところなく伝えていきます

 名手: いま、映像全般に関心が高まる中、コロナ社会でさらに興味を持つ若い人が急増しました。中高生でもスマホなどで本当にきれいな映像を撮ってネット上にあげられる時代、こだわりを持ち始めると自然に勉強したくなるでしょう。もっと面白くてきれいな動画を作って注目されたいとか、そういう純粋な動機をもって大学で学びたいという若者をサポートしていきます。

 丁:企画する番組を誰に見せたいのか、何を伝えたいのか、対象者の興味を惹く魅力的な内容かを学生に問いかけながら、創造性と感受性を伸ばし、「つくる」ことの歓びと、それに必要な技術と知識を伝えていきます。そして私自身もドキュメンタリー番組の研究をしながら制作に関わり続けていきたいと思っています。テレビ番組の制作は多岐にわたる様々な技術や知識、人材が必要です。企画したい人もいれば技術系のスキルに興味のある人、プロデューサーや監督志望もいます。役わりを分担しているうちに自分が何に向いているか、好きな仕事が明確になってきます。それを見極めながら「つくりたい」想いを一緒に実現していきます。

 名手: YouTube の普及など映像のモバイル化によって大きく変わりつつあるテレビ放送が抱える課題を分析し、インターネットメディアに特化したテレビ番組づくりなども企画しながら共存していくこれからの時代のものづくりを学生たちと創造していきます。

※所属?職名等は取材時のものです。

映像学科

あらゆる映像領域をゼロから広く学ぶ。専門性を磨き、業界をリードする人材になる。

今、身の回りには映像があふれており、感動を与えられたり、感性を刺激されたりしています。その中で「映像で何かを表現したい」「映像の世界で活躍したい」と、映像に興味を持った人がゼロから学び、真の映像人になれる点が本学科の特徴です。映像を多角的に学び、都内屈指の最新設備?機器で映像を制作し、業界をリードできる人材を育てます。