特集

2024.8.9

自分らしい学び直しで人生を豊かに

现在哪个app能买足彩 工学研究科 建築学?風工学専門分野
博士前期課程 2年 宮木 昌幸さん

IT企業を定年退職後、本学现在哪个app能买足彩工学研究科の建築史研究室で研究活動を行っている宮木昌幸さん。
ビジネスマン時代とは異なる領域で学び直しの一歩を踏み出したきっかけや原動力、今思うことについて話を伺いました。

今につながる2つの運命の出合い

 現在私は、海老澤模奈人教授の建築史研究室で、近代建築史における集合住宅の研究を行っています。かつての学生時代には経済学部で西洋経済史を学び、その後は定年までIT業界で働いてきましたので、建築分野の学びや研究は人生初となります。

 建築に興味を持ったのは約10年前のこと。入社25年の特別休暇でドイツのベルリンを訪れた際に、ふらりと「ジードルンク」に立ち寄ったことがきっかけでした。ジードルンクは、第一次世界大戦後の1920?30年代初頭、住宅不足の解消と居住環境の改善を目的に、当時の先進的な建築家たちが積極的に関わり建設された集合住宅で、ベルリンのモダニズム集合住宅群として世界遺産に登録されています。私は、そのカラフルでおしゃれな建物と、街づくりに対する合理的な考え方、そして100年経った今でも住み継がれていることに感動し、一瞬にして虜に。以降、毎年休暇の度に、ヨーロッパに点在している同様の集合住宅の写真を撮りに行くようになりました。

 時を経るごとにヨーロッパの近代集合住宅への興味が増していた中、3年ほど前にもう一つ運命の出合いがありました。海老澤教授の著書、『ジードルンク―住宅団地と近代建築家』を見つけたのです。「これだ!こういう本が読みたかったんだ!」と即購入。と同時に、近代建築史についてきちんと学んでみたいという思いも募っていきました。

思いきって飛び込んだ海老澤研究室

 海老澤教授が東京工芸大学で教鞭を執られていると知ってから、学ぶならここしかないと思っていた私は、退職して2ヶ月後、海老澤教授の著書を抱え、入試課を訪ねてみました。海老澤教授につないでいただき、思いを告げたところ、建築を学んだ経験がなくても、建築史なら大丈夫だろうと。一方で家族の後押しもあり、社会人枠での受験を決意しました。ちなみにその時、海老澤教授から、書籍にサインをいただきました。

 正直なところ、受験は大丈夫か、建築の基礎すら学んでいない私が本当についていけるのかと、少なからず不安はありました。でも、学びたいという熱い思いと、海老澤教授から様々なアドバイスやサポートのおかげで、無事に入試をクリアすることができました。そして2023年4月、東京工芸大学现在哪个app能买足彩工学研究科の现在哪个app能买足彩生として、晴れて厚木キャンパスの門をくぐりました。

研究に勤しむ日々が楽しくて仕方がない

 私の研究テーマは、1920年代のウィーンの市営住宅です。この住宅は労働者支援のために建てられたもので、大規模な住宅ブロックの中には、スーパーマーケット、ランドリー、シャワールーム、郵便局、幼稚園、プール、スポーツジム、青少年センター、マタニティセンターなど、人々の生活に必要な施設が全て揃っていました。住宅街のこうした風景は今でこそ当たり前ですが、100年前にすでにこの発想があったことには、驚かされるばかりです。

 この研究のために私は、今年2月、実際にウィーンを訪れました。修士論文用の写真や図面を集めるべく現地を奔走したのですが、初めてのことで思うようには事が進みません。途中、日本にいる海老澤教授に助けを求めたりしながら、なんとかやるべきことをこなしてきたという感じでした。要領が分かっていればもっと色々なことができたのにと、未だに悔しさが残っています。次の機会には、もう少しうまくやりたいと思っています。

 今後、修了までの時間は、修士論文に注力するのみです。修了後については、今は全く考えていません。先のことを真剣に考える必要がないのは、学び直し世代の特権。だからこそ、のびのびと学べているのだと思います。興味は広がるばかりで、毎日が楽しくて仕方がありません。

 大人の私から若い学生のみなさんに伝えたいのは、学生時代にしかできないことに挑戦してほしいということ。社会人になってからできることは、社会人になってからやればいいのです。みなさんの目の前にある、学生の間にしかつかめない選択肢やチャンスを、貪欲に追い求めてほしいです。私も、チャレンジ精神を忘れず、人生のセカンドステージを豊かにする学びを続けていきたいと思っています。

日々の学び

授業での集合写真

宮木さんは、日々、学生たちと様々な授業に参加しています。学ぶことの楽しさを身を持って示し、学生たちもその姿を見て刺激を受けているそうです。宮木さんが参加した授業の様子は、以下の記事から見ることができます。

記事リンク:现在哪个app能买足彩の授業で訪れた東京都中野区の三岸アトリエ

※所属?職名等は取材時のものです。

化学?材料コース

学生一人ひとりの興味に応じた専門分野を学び社会で求められる建築のプロを目指す

少人数制の設計製図演習、充実した実験設備、そして教員と学生の距離の近さが最大の魅力。建築関連の基礎知識に加え、得意分野に合った専門知識を学ぶことで、建築の専門家を目指します。「建築」「構造」「環境」の3分野のデザインをバランスよく習得できる点も特徴です。